【転職向け例文付き】面接で受かる「自己PR」の答え方とポイント

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自己PRは、転職の面接でよく聞かれる項目の1つです。履歴書にも書いてある自己PRをなぜ面接担当者があらためて求めてくるのか、その理由をよく考えてしっかりと準備しておきましょう。

この記事では、面接担当者が自己PRを聞く理由や、面接であなたの存在を強く印象付ける自己PRの作り方、効果的な自己PRのポイントや例文を、NG例と合わせてキャリアアドバイザーが解説します。自己PRに関してよくある質問も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

キャリアアドバイザー プロフィール

Y.Yoshimi

Y.Yoshimi

ECサイト運営企業やゲーム開発企業、アプリ開発関連企業への転職支援を中心に担当。Web・ゲーム業界に特化した専門性と大手企業人事部との幅広いネットワークを持ち、常に最新の情報をキャッチアップ。スピーディーな対応で最適な求人を提案することを心がけている。

面接担当者が自己PRを聞く理由

面接担当者が採用面接の場で自己PRを求めてくる主な理由は、あなたについて次に挙げる3点を知るためです。

面接担当者が自己PRから知りたい点

  • 客観的/的確な自己分析能力があるか
  • プレゼンテーション能力があるか
  • 企業ニーズとマッチしているか

採用面接における自己PRでは、「応募先企業にとって自分がいかに魅力的な人材か」をアピールすることが重要です。相手が知りたいことを意識しながら、面接担当者に刺さる自己PRを考えていきましょう。以下1点ずつ詳しく見ていきます。

客観的/的確な自己分析能力があるか

面接で自己PRを求められる理由の1つは、客観的かつ的確な自己分析ができる能力を、あなたが備えているかどうかを知るためです。「自分がそうだと思っている」だけのことをいくらPRしても、相手は納得しません。これまでの仕事における実績や周囲の人からの評価など、客観的な事実をもとに自己分析して、PRできる点を探しましょう。

プレゼンテーション能力があるか

面接担当者は、あなたが自分のPRポイントをどれだけ魅力的にプレゼンテーションできるかどうかを見ています。たとえしっかり自己分析ができたとしても、それが相手に響かなければプラスの印象は残せません。相手が求めている人材像と自分ができることの接点を探し、しっかりとした根拠を示しながら、人材としての自分の魅力を伝えましょう。

企業ニーズとマッチしているか

もう1つ、面接担当者が知りたいことは、自社がもとめる人材像にあなたが当てはまるかどうかです。たとえば、企業側が「常識にとらわれず、枠を越えた新しいアイデアを生み出せる人」を求めているときに、あなたが「ルールを順守し、与えられたタスクを正確に遂行した実績」をアピールしても響かないでしょう。事前に企業Webサイトや募集要項を読み込んで、応募先企業の事業内容や社風、求める人材像をよく理解したうえで、「自分が採用されれば、こんな利益貢献ができる、業務効果が期待できる、組織成長に繋がる」といった点を具体的に伝えましょう。

面接官をうなずかせる自己PRの作り方

次に、面接で話す自己PRの作り方について解説します。面接官を納得させるためには、自己PRの基本的な構成と、自己PRをより魅力的にするためのポイントを押さえておきましょう。

自己PRで意識するべき基本の構成

効果的な自己PRを組み立てるには、1結論、2根拠の提示、3強みの証明」といった3段階の構成を意識してください。

1結論 私の強みは○○です。
冒頭でまず簡潔に強みを述べる(結論が手前にくることで相手も理解が進む)。
2根拠の提示 なぜなら◯◯だからです。
それを裏付ける根拠として、こんなエピソードがある、ということを伝える。
具体例を混ぜることで根拠の説得力を高める。
3強みの証明 その結果、○○のような成果が得られました。
結果や成果を伝えることで、強みが実績に繋がったことを証明する。
これによって実際に企業に入社した際、どのように活躍することができるか想像させることができる。

相手が理解しやすいように結論を先に述べ、客観的な根拠をもとに「なぜ自分が御社にとって必要な人材と言えるのか」という点を証明したうえで、入社後の活躍を想像させるような成果を示すことで相手の期待感を醸成します。

この全体の流れを意識し、上記の○○の部分に具体的な事柄や数値をあてはめていけば、自慢や独りよがりにならない魅力的な自己PRを組み立てることができるはずです。

より効果的な自己PRにするためのポイント

上でご紹介した自己PRの基本的な構成を踏まえたうえで、さらに効果的に伝えるためには、「ひと言で言い切れるキャッチフレーズ」「実績や業務とのロジカルな紐づけ」を考えておくことをおすすめします。

Point1

ひと言で言い切れるキャッチフレーズを用意する

自分のPRポイントをひと言で言い切れるキャッチフレーズがあると、相手の印象に残りやすくなります。

たとえば、後でご紹介するWebディレクターの自己PR例文では「農業型ディレクター」というキャッチフレーズを使っています。面接終了後に面接担当者同士の会話で、「3番目に面接した人だけどさ」「ああ、農業型の人?」などと話題に上がるようなら、面接突破は大きく近づいたと考えられるでしょう。

あまり奇をてらう必要はありませんが、広告のコピーと同様、「意表を突かれる」「インパクトがある」「個性的な」「ほかに類を見ない」キャッチフレーズを考えてみてください。

Point2

実績や業務とロジカルに紐づける

PRしたい点に関連して自分がこれまでに仕事で挙げてきた成果を、具体的な数字や事実を出しながらロジカルに伝えることも効果的です。

後でご紹介するWebデザイナーの例文でいうと「先を予測する力がある」というPRポイントの裏付けとして、前職で実践してきた仕事のスタイルを具体的に説明し、その成果としての業績を数字で示しています。これだけ論理的に説明すれば、企業側も「この人を採用したら自社にメリットがありそうだ」と納得するでしょう。

3段階の構成の流れに具体的な事実を入れて自己PRの流れを作ったら、論理の組み立てが破綻なく納得感のあるものになっているか読み返して確認しましょう。

自己PRと「強み・長所」は別物

自己PRと混同されやすいのが「強み・長所」です。これらは自己PRと重なる部分もありますが、基本的には別物です。面接で自己PRのあとに強みや長所について聞かれることもあるため、同じ内容の繰り返しになったり、一貫性のない回答になったりしないよう、強みと長所についても自己PRとあわせて準備しておきましょう。

自己PRと強み・長所について明確な定義はありませんが、転職活動では以下の考え方を参考にしてください。

「自己PR」と「自分の強み」の違い

  • 自己PR:企業が必要としている人材像を起点に、自分という人材の魅力をプレゼンすること(長所や強みが含まれる場合もある)
  • 長所:個人の性質や能力などで優れているところ。とくに、それによって応募先企業の組織・チームに対して価値を発揮できると考えられる点
  • 強み:応募職種の業務に関連して、自分がほかの応募者と差別化できると考えるスキルや経験、資質など

職種別の自己PR例文

次に、「自己PRで意識するべき基本の構成」で解説した3段階の構成に沿って作成した、自己PRの例文を見ていきましょう。ここでは「Webディレクター」「Webデザイナー」「ゲームプランナー」の3職種について、業務内容を踏まえた例文とそれぞれのポイントを解説していきます。

Webディレクターの自己PR例文

私は「交渉力」に自信があります。 ... 1結論

前職で担当した案件で価格競争になったとき、今クライアントに重要なのはコストを下げることではなく、施策を最適化することだと提案し、値引きには応じませんでした。 ... 2根拠の提示

費用対効果で考えれば私の提案が優れているということを根気強く提案し、交渉した結果、この案件を勝ち取ることができました。 ... 2根拠の提示

実際に施策を実施したところ、クライアントには「予想を上回る成果だった」と感謝され、信頼関係がいっそう深まったように思います。
このように「手間暇を惜しまずクライアントとの関係を耕し、大きな収穫を得る」というところから、前職で私は「農業型ディレクター」と呼ばれていました。御社に採用していただけたら、御社の重要なクライアントであるB社様、C社様などとの関係をより深いものにしていきたいと思います。 ... 3強みの証明

ポイント
  • エピソードから、仕事に対する情熱や幅広いスキルが読み取れる
  • 粘り強さ、会社への貢献など、付帯する強みも同時にアピールしながら全体として首尾一貫している
  • 人材としての魅力が総合的に評価しやすい
  • 採用したらどのような働き方をするかがイメージできる

具体的なエピソードからは、仕事への情熱と幅広いスキル、粘り強さといった強みがわかりやすくアピールできています。コミュニケーション能力の高さなど、人材としての魅力も伝わり、採用後の働き方もイメージしやすいうえ、「農業型ディレクター」といったキャッチーな表現も印象に残ります。

Webデザイナーの自己PR例文

私は、「先を予測する力」があります。 ... 1結論

デザイン設計の際には、徹底した事前調査を行い、見通しを立て、サイトの目標達成や運営コストの最小化に役立てています。
根拠ある予測を行い、それに基づいた資料と共にクライアントとイメージを共有するので、精度の高いデザイン設計ができ、修正などにかかる時間やコストも削減しています。 ... 2根拠の提示

このやり方はイニシャルコストがかかりますが、長期的にはコストパフォーマンスが高いとクライアントに評価され、前職では2年間で受注案件数○○%増、受注総額○○%増を達成し、リピート率も○○%向上しています。
御社に採用していただけたら、まだこういった手法に基づくサイト設計がほとんど実施されていない業界のクライアントを存分に開拓できると思います。 ... 3強みの証明

ポイント
  • エピソードから、「論理的で数字に強いデザイナーだ」という付帯的な強みも総合的に読み取れる
  • 経営視点も持ち合わせていることがアピールされている
  • この人材を採用することで、大きなチャンスがつかめるかもしれないという期待ができる

具体的なエピソードと数字を盛り込んだ自己PRからは「理論的で数字に強いデザイナー」であるという強みがうかがえます。また経営視点があることや、人材的価値をアピールすることで、この人材を採用したら大きなチャンスを得られるかもしれないという期待を高めています。

ゲームプランナーの自己PR例文

私は「リスクヘッジに強い企画作り」が得意です。 ... 1結論

ゲーム開発中のリスクを踏まえ、柔軟に対応できるようなゲーム企画のスキームを編み出しました。
たとえば、○○というゲームでは、企画変さらに対応できるように準備しました。シナリオや構造は基本的に変えず、テキストとグラフィックの変更だけでゲームの世界観を変えられるようにしたのです。 ... 2根拠の提示

他社から少し早く類似ゲームがリリースされた際、この備えがあったので、開発の大幅遅延や、○億円規模の損失を出さずに済みました。
御社のゲーム開発においてもリスクヘッジに私のスキームを応用していただければ、より安定した開発環境が確保できるのではないでしょうか。私も御社の一員として、どんな大規模なゲーム企画も安心して任せていただけるプランナーになりたいと願っています。 ... 3強みの証明

ポイント
  • 相手企業に提供できるベネフィットが明確である
  • 単なる強みではなく、オンリーワンであることがわかりやすい
  • 企業と自分、共に利益を共有し成長していけるというビジョンを提示している

リスクヘッジという、企業の経営にとって重要な役割を担えることが、自己PR全体を通してよく伝わってきます。企業の危機的状況を回避したエピソードが具体的でいかに自分がそこで力を発揮できたかがわかりやすく表現されています。企業と自分の将来的なビジョンが語られているのもポイントです。

面接における自己PRでの4つのNG例

自己PRの基本的な構成やポイントを理解いただけたでしょうか。次に、面接での自己PRを組み立てるうえで、やってはいけないNG例も押さえておきましょう。

NG1

自己紹介と自己PRを混同している

自己紹介は名前や年齢、職種など、「自分が何者か」を客観的視点からまとめた「情報」を伝達することであり、自己PRとは別物です。自己紹介のときに自己PRが入り混じっていたり、自己PRを聞かれたときに自己紹介の内容と重複していたりすると、質問に対して的確な回答ができない人という印象を与えてしまうかもしれません。

面接担当者は、「自己紹介と自己PRをどう語り分けるか?」で、その人がどれくらい熱心に面接対策に取り組んできたかを即座に見抜くこともあります。あらかじめ自己紹介と自己PRの違いを押さえておきましょう。

自己紹介 自己PR

ありがちなNG例

自己紹介を求められた後、「続いて自己PRをお願いします」と言われたとき、「自己紹介と一部重複するのですが......」

NG2

自己PRに目的意識がない

転職面接で自己PRを求められたら、面接担当者に自分の人材的魅力をアピールして「ぜひ採用してください!」と働きかけるチャンスです。しかし、目的意識なく自分のいいところをアピールしようとしても、相手にはぼんやりとした印象しか残せません。

必ず、「その会社の求めている人材像に合致する強みをアピールする」「採用後の部署やポジションですぐに発揮できる強みをアピールする」というように、目的意識を持って自己PRをするべきでしょう。

たとえば「几帳面な性格→短納期の煩雑なプロジェクトで、細かい連絡ミスやチェックミスが致命的になるという局面で何度もミスを食い止め、無事納品にこぎつけた」といったエピソードがあれば、制作進行やプロジェクトマネージャーなどへの適性は評価されるかもしれません。そういった「会社への貢献に結び付いた実績」がなければ、ただの自慢・自己満足と判断されてしまうリスクがあります。

自己PR 目的意識

ありがちなNG例

「私は几帳面な性格です」

「私は周囲への気配りを常に忘れないよう心がけています」

NG3

アピールポイントが仕事に即していない

自己PRをする際に、アピールポイントが仕事に繋がっていないと、面接担当者に「人材としての魅力」が伝わりにくくなります。あらかじめ自分の強みを分析し、根拠となるエピソードなどを加えて自己PRするのであれば、必ず仕事に関連付けるようにしましょう。

下に紹介したNG例からは、「バイタリティがありそうだな」というプラスの印象を受けます。しかし、それなら最初から「私の強みはバイタリティです!たとえば(仕事上でバイタリティを活かした成功事例を語る)」など、仕事に結び付けた話にしてくれたほうが、面接担当者には鮮明な印象が残るでしょう。

特技 仕事

ありがちなNG例

「たとえば海外などの不慣れなところに行っても、すぐに友達を作れるという特技があります」

NG4

客観的根拠が提示できていない

どれだけ熱心に自己PRをしても、アピールポイントに対して客観的な根拠がなければ、信用できる情報なのかどうかがわかりません。応募者が具体的な実績やエピソードなしに自分の考えばかりを語っていたら、面接担当者は「それは単なる思い込みではないか?」「願望ではないか?」と疑うかもしれません。さらに、「具体的なエピソードや実績について教えてください」と聞かれる場合もあるでしょう。

アピールポイントは、必ず具体的な実績や周囲からの評価など、客観的根拠を提示できるものを選びましょう。

ありがちなNG例

「私は発想力があり、人とはちがう角度からアイデアを出すのが得意です。企画を立てるときにはこれまでの延長線上ではなく新しい要素を入れることをこころがけています」

自己PRについてよくある質問

最後に、採用面接での自己PRについて、キャリアアドバイザーが転職希望者からよく受ける質問をご紹介します。

Q.1自己PRは使いまわしても問題ないですか?新卒時の自己PRを使ってもいいでしょうか?

転職の面接で学生時代のエピソードを語るのは避けたほうがよいでしょう。

社会人経験を積み、前職でそれなりのスキルを磨き実績を積んできたはずの人が、新卒と同様の自己PRをしていたら、面接担当者から「仕事上のアピールポイントがないのか?」と疑われてしまう可能性もあります。実務経験が短くて語れることがなければ仕方ありませんが、学生時代のエピソードを入れてもいいのは第二新卒までと考えてください。

志望動機とは異なり、自己PRは基本的に「自分語り」ですから、エントリー先の企業が変わってもそれほど大きくぶれることはありません。基本的な部分を作り込んでおいて、あとは面接先の求める人材像に合わせて細部をチューニングすれば使いまわしもできます。労力を惜しまず、新たに作成しましょう。

Q.2「書類」と「面接」で自己PRは変えたほうがいいでしょうか?

面接での自己PRは、応募書類に書いた内容と同じことを話しても問題ありません。ただし、まったくそのままの内容を話すのではなく、状況に応じてアレンジしましょう。

相手がいちばん知りたいことを押さえたうえで、自分の伝えたいことがちゃんと伝わるように用意しておくことをおすすめします。

面接の相手は人事担当者、希望する部署の管理職、役員など、選考が進むにつれて変わっていきます。人事担当者にはできるだけわかりやすいアピールポイントを伝える、希望部署の管理職にはより詳しい仕事上での実績を話す、役員に対してはマネジメント視点や今後のキャリアビジョンをアピールするなど相手に合わせて話す内容も少しずつ変えていきましょう。

面接での自己PR対策に専門家のアドバイスを生かそう

面接での自己PRは準備が肝心です。面接担当者が知りたいことをイメージしながら、基本の構成にそってポイントを押さえた回答を準備しておくことで、自信を持って面接に臨むことができるはずです。

面接当日は、質問のされ方や順序など、想定していないイレギュラーな流れになることもあります。心に余裕を持ち、落ち着いた受け答えができるようにするためにも、不安や疑問は事前に解消しておきましょう。転職エージェントを利用すれば、転職の面接対策をキャリアアドバイザーに相談することができます。クリエイター職への転職をご希望なら、マイナビクリエイターにぜひご相談ください。

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